2005年10月

日野原重明先生に文化勲章!

●11月3日の文化の日、宮中で文化勲章の授章式があるが、その5人の一人に尊敬する日野原重明先生が選ばれました。非常におめでたいことで、ご同慶の至りです。以前にいた出版社で、看護関係の専門書を出版するときに、大変お世話になりました。

●ご存知の方も多いと思いますが、最近でこそ、先生の名前は日本全国に有名ですが、お知り合いになったころは、まだ、古い聖路加病院の院長で、付属の看護大学の学長でした。もう、20年も前のことです。古い校舎の聖路加看護大学に何回も足を運びました。

●当時から非常にご多忙で、なかなか時間を取れなくて、築地の聖路加から永田町の砂防会館に移動されるときに、車の横の席に乗せていただいて、いろいろとお話しをさせていただきました。また、京都へ向かう新幹線のグリーン車の横にも乗せていただきました。

●医者でありながら、「いいかね、成岡君、看護はアートなんだ、アートなんだよ。」が口癖で、医者より低く見られていた看護のレベルアップに非常に尽力されました。技術でなく、心なんだ、とうことだったと思います。また、聖路加病院を建て直し、新しい考えの病院を作られました。

●新しい病院の建設を検討した理事会の終わるのを帝国ホテルで待たせていただいて、お食事をご一緒したときも、「僕はね、日本一の患者のための病院を作るんだ。」という、「志(こころざし)」に燃えた目で、語っていられました。そして、見事に理想の病院を作られました。

●サリン事件の時の、聖路加病院の危機対応やリスクマネジメントのレベルの高さは当時、模範とされました。また、当初から、そういう病院を作るんだという理想を高く掲げられ、実現に向けて努力されました。経営者としての判断も、立派だった思います。

●当初から、大規模災害を想定され、廊下のいたるところに酸素などの取り出し口を設けたり、緊急時にはいたるところが、臨時の病床に変更できる工夫など、数々の最新の考えをとりいれて、「日本一の患者のための病院」つくりに邁進されました。

●明治45年生まれ。成岡の知る唯一の現役明治生まれの方です。生きている方は多いと思いますが、いま、なお、現役のDrとして、毎日活動しておられる偉大さには、正直、敬服を通り越し、偉大さを感じずにはいられません。

●ひとつだけ、まずいのは、字が異常にきたないことです。原稿を直していただいても、ほとんど読めませんでした。さすがに、秘書の方には判読可能で、いつも、秘書の方に翻訳していただいていました。それほどの悪筆でした。これは、いまもそうだと思います。まあ、ご愛嬌でしょうか。

●経営者としての聖路加の理事長としての日野原先生を見れば、「志(こころざし)」の高さと実行力でしょうか。それと、「生涯現役」のバイタリティーでしょうか。これは、企業の経営にも同じことが言えると思います。また、新しいことに対するチャレンジ精神でしょうか。最近、ベストセラーが多く出ていますので、ぜひ、お読みください。

●もし、縁起の悪い話しですが、いつか、お亡くなりになったら、必ず告別式には、成岡にとってはどんなことがあっても行かないといけないおひとりなのです。ぜひ、さらに長生きされて、いつまでも、本当の「生涯現役」を貫いて欲しい、お手本中のお手本です。企業の経営者も、かくありたいと思います。

会社を設立して分かったことその2

~時間が一番貴重な経営資源~

●10月に会社を設立してから、あっという間に1年が経ちました。この間、色々なことがありましたが、とにかく慌しかったことだけは、事実です。最近、ちょっと、振り返る余裕とか、時間を持てるようになりましたが。

●感じたことは、特に成岡のようなビジネスの場合は、時間が貴重な経営資源だということです。時間当たりの生産性がいかに高いかということが、最終的には、顧客満足を高め、結果的に、売上につながったり、利益につながったりします。

●この、時間との戦いのために、いろいろと工夫はしました。パソコンの活用とか、そういうレベルは日常のことですが、ひとつは「手戻りしないこと」。ふたつは「やらないことを決める」ということです。

●「手戻りしない」ことは、時間との戦いで非常に重要です。最初の方針を間違って、しばらく、いろいろとやってから、やっぱり間違っていて、やり直すというのは、ロスが倍になります。消耗も大きく、疲労感も大変です。それと、コストも馬鹿になりません。

●何かの案件に取り掛かるときに、最初の基本方針をじっくり考えないで、いきなり感覚で飛びつくものですから、しばらくやってから、ああ、違っていた、ということになります。最初に、よくよく考えて、いくつかのケースを仮説で立てて、それを検証してから取り掛かる。

●それでも、もちろん、間違いはありますが、大きな方針のズレは起こらないと思います。最初の、出だしの考えをきちんと立てることが重要です。

●「やらないことを決める」のは、選択と集中の問題と同じです。自分の会社は何をやるのか。ミッションは何で、外に対して、何を発信するのか。顧客価値は何か。そういうことを、きちんと考えて、「やること」と「やらないこと」をきちんと区分けする。

●最初は、とりあえずお声がけいただいた案件は、ほとんどお受けしていましたが、それでは、分散して、かえって経営資源がうすっぺらくなる。ならば、ある程度集中したほうがいいと思います。看板が重要です。何でもやるのは、何か総花的になるということと、同じです。

●「やらないことを決める」のは、関心を持たないということではありませんが、ビジネスとして取り組むのは、当面は「やらない」ということです。まだ、こちらが、選り好みする段階ではありませんが、限られた経営資源なので、ビジネスのドメインを定義し直しました。

●「やらないこと」を決めたら、だいぶ時間が生まれました。これも、あれも、とやっていた時期に比べると、多少、時間の余裕が出来ました。この時間を、ものを考える時間に充てています。このことが、最終的には、顧客価値につながるのだと確信しています。

会議は何のためにやっているのか?

~会議の外で重要なことが決まっていないか~

●長い時間かけて、会議をして、ようやく終わったけれど、なんとなく、何が決まったのか分からない会議というものが、よくあります。結局、なんだったんだっけ?という思いをいだいて、会議室を出る時は、相当な消耗感があります。

●もうひとつ、よくあるケースで、会議が終わってから、担当者や中心人物が会議室に残って、続きをやっている光景です。ああでもない、こうでもないと、まだ、議論を続けています。そして、会議の結論と違った方向に物事が決まることも、よくあります。

●会議終了後、議事録がメールで回ったりすることも多いと思います。議事録は、作成する人のスキルが出ますが、分量が多いと、どこに結論が書いてあるのか分からないときは、あまりちゃんと読まないことが多いです。

●理想的には、事前に主催者側から、議題(Agenda)が提起され、参考資料が先に配布され、その場で議論して、結論がその場で決まって、その場で参加者に共有されることが、ベターではないでしょうか?

●もし、どうしても決められないなら、いつまでに、誰が、何を出して、どうやって決めるのかが明確になっていないといけません。「もう少し調べてから決めよう」というのは、ある企業では「禁句」だそうです。

●先送りしても、結局、目新しい資料がざくざく出てくることは、あまり考えられません。ならば、その場で、手持ちの材料で判断するべきでしょう。そんなに資料が不備なら、それは、担当者の力量不足です。先送りは、政治の場だけの専売特許でいいのです。

●休憩時間の喫煙室での会話でいろいろな方向性が決まったり、会議後の雑談で決まったり、何のために大勢が時間をつぶして集まって、議論したのか分からないことが多いのです。(参加人数×時間当たり単価)+会議の経費=総コストだから、人数が多いと、膨大なお金を使っているとの認識が足りません。

●会議の時間は、長くて2時間。大学の講義は90分。高校の授業は長くて60分。人間の集中力には限りがあり、1時間半から2時間が限度でしょう。それを超すと、時間と費用の無駄遣いです。

●本当に、会議で重要なことを決めようと思えば、
(1)事前の準備
(2)参加者のモティベーション
(3)判断できる資料の提供
(4)会議の目的の明確化と参加者での共有
(5)終了時のイメージを初めに共有する
(6)公平な議論を進めるファシリテーターの存在
などの要素が必須です。

●これがうまくマネジメントできれば、会議の生産性のみならず、意思決定が早くなり、経営資源のタイムリーな投入ができ、結果の判断が早くなります。要らない、つまらない、無駄な投資がなくなります。

●日本人のいい意味での特性「和を以って尊しとなす」は、一面正しいと思いますが、合議制だけでは物事は決まりません。その場で決める、決まったことは徹底する。言えば、それだけですが、その当たり前のことが、当たり前に出来ないことこそが問題点だと思います。

会社を作ってみて分かったことその1

●昨年の10月に資本金10,000千円で株式会社を作りました。診断士で、いきなり株式会社を作るのはいかがなものか?という周囲の意見もあったが、当初から、会社を作ろうと思っていたので、迷いはありませんでした。

●やはり、最初から事業をやりたかったし、今でも、同じです。事業をやるには、最初から株式会社であったほうが、信用や対外的な意味ではいいと思いました。また、事業をやってみないと、診断士という職業柄、経験しないと分からないことも多いと思ったからです。

●そんなに投資の要る職業ではないけど、やはり、何も無いところから会社なるものを作ると、思いがけないことに、相当お金が要ることを実感しました。登記の費用、資本金を銀行に預け証明を発行してもらうだけで費用が要る。事務所を借りる敷金など・・・・。その他、いろいろと必要です。

●商品を仕入れて販売する商売ではないので、原価は限りなくゼロに近い事業です。その代わりに、提供するサービスの付加価値が要求されます。それを、ブラッシュアップするための投資には、相当費用がかかります。維持するコストと、新しいジャンルを開くコスト、そして現在のリソースを高める費用です。

●しかし、一番コストがかかるのは、人件費だということです。経費的な費用は、費用対効果がたいていのものは見えますから、必要ないと判断したら止めればいいわけです。ところが、人に対する投資については、なかなか結果が見えません。

●会社というものは、コアの事業の周辺に、相当な付帯業務があって、これがうまく回転しないと、本業の収益が効率よくあがらないのです。そのためには、多少のマンパワーのバッファーが要ります。この部分を、あまり、当初カウントしませんでした。

●人が存在すれば、周囲に費用が自然と発生します。それが、すぐに付加価値を生むわけではありません。収益を生む部分に対する投資以外に、組織の業務を回転さすための経費が相当の金額が必要との認識を新たにしました。

●また、そのための時間というものが、結構要るものだということも分かりました。月次の決算書には決して現れない数字です。そういう、「見えない費用やアイドルタイム」というものが相当あることが実感できました。

●実感として、人件費をはじめ固定費的なものに、相当な金額が右から左に流れていきます。そもそも、会社を作るときに、先行投資を相当していますが、さらに、ランニングコストが、想像以上にかかります。

●どうも、事業計画を立てるときに、気持ちとして、入るを多目に、出るを少ない目にする傾向があります。実際には、入るが少ない目に、出るを多い目にしておかないと、実際との乖離が大きくなります。キャッシュフローに楽観論はいけません。

●お金は飛ぶがごとく出て行くと思っていて、ちょうどいい加減です。入るは、何かの都合で遅れることが日常だと。実際に、自分で資金繰りをすると、よく分かります。まずは、「出るを制する」ことが肝要です。打撃は3割打てばたいしたものですが、守備はノーエラーを目指せば可能です。

設立1周年のご挨拶

●10月1日、株式会社成岡マネジメントオフィスは設立1周年を迎えました。

●これも、皆様の暖かい激励、ご協力、ご支援の賜物と、厚く感謝しております。

●さらに、研鑽をして、皆様のお役に立てるサービスを提供していきますので、よろしく、ご指導、ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます。

●なお、1周年を記念し、また、IT経営塾勉強会4周年を記念し、11月19日に大阪産業創造館にて、「佐山展生氏特別記念講演会」を開催いたします。

●詳細は、株式会社成岡マネジメントオフィスのホームページにありますので、皆様、多数ご参加ください。
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