2005年07月

TOEICを受験して

●毎年7月にTOEICの試験を受けている。今年も24日に京都で受験した。四条室町の池坊短期大学の教室だった。いつも、龍谷大学、産業大学、立命館大学などの会場を転々としていたが、ここ数年はこの会場で受験している。

●毎年と書いたが、ここ5年くらいは毎年7月に受験するのが恒例となった。4月は年度初めで忙しく、5月は連休があり、8月くらいから情報処理の試験の準備があるから、この7月は空き時間帯なのだ。

●偶数年度は頑張って勉強して、奇数年度は一切何もしない。このパターンで数年やってみている。TOEICの試験は受験慣れがあって、事前にトレーニングすればある程度点数がUPする。

●テクニック的な要素が入るのがいやで、交互に準備したりしなかったりで、どれくらい点数が違うかに興味があった。100点以上開けば、これは実力的はおかしいかもしれない。幸い、そんなに点数の開きはなかった。

●受験のメンバーはほとんど20代のヤング。中年以上の受験生はほとんど皆無という孤独な?状況の中、毎年、孤立しながら受けている。気分的にはしんどいが、もう、全然気にしなくなった。

●継続することが重要で、その中から何かをつかんで、来年の課題としている。特に成岡はヒアリングが苦手で、聞けないとしゃべれないという悪循環を招く。なので、NHKの夜のラジオを録音して1年間ずっと聞いていたときもあった。

●いずれにせよ、勉強というか、自分で好きなことは継続できるものだ。いやいややることは、続かない。よって、いそらく一生こういうパターンなのだろう。そのほうが、自分に合っているのかもしれない。

●結果は8月の末にはがきで送られてくる。開けるときのドキドキは、また、来年頑張ろうと思う原点なのだ。

経営は数字で把握する

●企業の規模にもよるが、中小企業の場合は、創業の社長さんがいらっしゃって、その元に会社が成り立っていることがほとんどです。どうしても、創業の動機や事情から、こうならざるを得ない場合が多く存在します。

●そうすると、社長自身が、創業の事情から今日に至る経過を全部理解していることになり、いちいち説明する必要がないわけです。たいてい、社長が全体を掌握していて、資金の手当から保証まで全部を背負っていることが多く見られます。

●従って、社内のすべての出来事を理解でき、掌握し、指示し、意思決定しているので、組織的な経営体は必要ありません。日々の、月次の経営状況も、ほとんど把握されています。これが、次の規模やステージになると、途端に難しくなります。

●規模的には定義はありませんが、人員で20名以上、売り上げで3億円以上くらいでしょうか? 個人商店の規模から、組織体での運営に移るときです。まさに、マネジメントが要求されるステージです。

●ここを、うまく通過出来ない中小企業が多く見られます。それは、経営を感覚から数字に移行しないからです。この規模、このステージになると経営をきちんと数字で掌握、把握する仕組みを作らないといけません。それが、出来ていない企業が多いはずです。

●数字で把握するとは、単にパソコンからデータをプリントアウトすればいいということではありません。その中身の解析が重要なのです。なぜそうなったのか、どうしてそういう結果が出たのかを、きちんと掌握することが大事です。ここを、やらない企業が多いのです。

●経営の中身は必ず数字で把握する。この癖をつけない限り、このポイントをしつこいくらい追及しない限り、次の成長はありえないはずです。いや、ここが掌握できないかぎり、停滞という成人病にかかることになります。

●すぐに、大事には至らないが、次第に血管にヘドロが付き、血流が悪くなり、そのうちに、どこかに梗塞が起こるようになります。しかも、突然やってきます。資金繰りをウオッチしている経営者は多いはずですが、損益の分析まできちんとやらないといけません。

●感覚で掌握する次元から、数字できちんと捕まえる。数字は誤魔化せないから、まず、正直に数字と向き合うことです。いい加減な気持ちで数字と向き合うと、手前勝手な解釈をして、症状と兆候を見逃すことになります。

●まず、成人病にならないために、きちんと数字で経営を把握する、そして、自分に都合のいい解釈をしないことを励行することが重要です。景気が悪い、社員が悪い、得意先が悪い、仕入先が悪い、・・・・・。理由を並べる前に、自分の足元を見つめることが大事です。

●古い表現かもしれませんが、「脚下照顧」です。この姿勢がないと、どんどん成人病のステージに進んで行きます。それを修正するのは、経営幹部の方々しか出来ないことなのです。

暑中見舞い

●今年も、祇園祭が終わって、それを待っていたかのように、梅雨が開けた。恒例の?暑中見舞いに取りかかった。毎年、この時期は、名簿のクリーニングを兼ねて、暑中見舞いを出すことにしている。

●成岡の仕事の関係先で言えば、企業に勤務の方も多いので、異動や転勤などが結構ある。しばらく、ご無沙汰していると、とんでもない場所からの案内が来たりして、びっくりする。

●先日来制作していた暑中見舞いが完成し、ようやく450枚が今日発送された。これも年中行事とはいえ、結構な力仕事だ。原稿を作り、宛先を整理し、出し先を選択し、プリンターで印刷する。印刷の途中で、何かアクシデントが起こる。

●どうもプリンターの相性が良くないのか、途中で深刻なトラブルが起こる確率が高い。だから目が離せないので、時間がかかる割りに生産性が低い。他の仕事が出来ない。また、カートリッジのインク切れも起こる。

●ただ、450枚×50円だから25,000円くらいの広告宣伝費で、結構な効果が期待できる。最近暑中見舞いも出さない人が多いから、年賀状より目立つ。また、住所録のメンテナンスにもなる。

●大事なことは、最後に一筆書き添えることだ。印刷したままで送るのは失礼だ。そんなに考えて、沢山は書かないが、それでも、何か書き添えてあると随分と違うものだ。これも営業だと割り切って、頑張って書いている。

●年賀状と合わせて、年間50,000円くらいの広告宣伝費だし、時間もそんなにかかるものではない。要は、日頃から名簿のメンテナンスをきちんとしているかだ。

野村ID野球に学ぶ経営

●先日来、日経新聞の裏面の「私の履歴書」というコーナーに、ヤクルト~阪神の監督を歴任した野村克也氏の連載が掲載されて、興味深くよませてもらった。最近では、これほど真剣に、この欄を読んだのは珍しいことだ。

●特に成岡が野球が好きだからという理由だけでなく、野村克也という人間の生い立ちと、その後の野球への研ぎ澄まされた感覚に感嘆するものがあった。生い立ちは、ご存知かもしれないが、京都府の田舎の(失礼)峰山高校を卒業し、当時の南海ホークスにテスト生で入団した。

●当時マスコミを賑わした長嶋茂雄の巨人軍入団に隠れ、誰も知らない入団だったが、後年、彼が日本人で始めての三冠王を取るとは、誰が想像しただろうか。それほど、彼には隠れた才能があったのだ。いや、入団後の人知れずした勉強が、彼を一流中の一流に押し上げた。

●連載で深く感嘆したのは、彼がヤクルトの古田捕手に徹底的に頭で考えさす野球を教えたことだ。印象に残っているフレーズは、ピッチャーが投球するときに、いったい、いくつのパターン、状況設定があるかということだ。

●まず、バッターの打順、アウトカウント、ストライクとボールのカウント、ランナーの位置、そして、イニング。バッターの打順は9通り、アウトカウントは3通り、ストライクとボールのカウントは9通り、ランナーの位置は8通り、イニングは延長を考慮しないと9通り。

●シュミレーションとしては、それらの掛け算だから、全部で9×3×9×8×9となり、17,496通りの組み合わせが考えられる。それに、当日の風向き、ランナーの足、当日のバッターの調子など。気が遠くなる組み合わせが考えられる。

●ここまでやると、かえって現実的ではないから、確か連載では200通りくらいの標準パターンに絞り込んだと書いてあったと思うが、それでも、それまで、経験と口承伝道でのノウハウが、体系化された瞬間だった。古田は、これを必死で勉強した。

●大事なことは、データに裏づけされた事実を積み重ね、体系化し、そこに彼独特の考え方やノウハウを加えて、ひとつのセオリーを打ち立てた。経験とカンと度胸で会社を切りまわしていかれる経営者の方も多いとは思うが(これを皮肉ってKKD経営という)、IT技術も、いろいろな経営手法も、最終の目指すところは、経営者の頭の中をいかに具体化するかだ。

●そのために、野村はもともとがエリートでないから、かえって先入観がなく、自然に自分のフィロソフィーを確立できた。考えれば、投球するときに、あるいは守るときに、上記のようなことを動物的に、感覚的に、頭の中がぐるぐる回転して、守備位置を動いたり、飛んでくる準備をしたりする。

●データを集めることは容易いことだ。要は、それから何を導き出し、自分なりの考えを加え、自分なりのセオリーに組み上げるかだ。経営とは、沢山の周囲の情報から大事なものを抜き出して、自社に合うマネジメントの体系にブラッシュアップすることだと思う。

●そういう意味で、野村ID野球の考え方には、大変勉強になることが多かった。最後に、彼の有名な言葉。「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」みんさんは、この意味をどう、取られるだろうか。ここに、野村の考え方を経営に活かすヒントが隠されていると思う。

●負けに不思議の負けがないなら、その原因と理由を徹底的に分析し、反省し、次に活かすことだ、勝つときは理由の分からない勝ち方もあるが、負けるときには必ず原因がある。それを冷静に数字をリンクさせて検証すればいい。

●考えれば、経営の教科書に書いてある「PDCAサイクル」と似たような話しだ。マネジメントの新しい手法を耳学問で聞きかじって、興味本位に次々と取り組むより、古典的ではあるが、根幹となる考え方に基づいたことを、しっかりと継続してやることが大事なことだ。

日本の新聞業界

●昨日の京都のIT経営塾勉強会で、京都経済新聞社の代表取締役の築地さんに講演をお願いした。初めて、ITや経営というジャンルを離れて、メディアや報道といった切り口の話しをしてもらった。

●参加は17名。いつもとほぼ同じくらいの人数だったが、内容的には、いままで、やれ、IT、デジタル、パソコンなどといったジャンルや、マネジメント、経営などのカテゴリーとは、一味も二味も違う話だった。そういう意味では、大変参考になった。

●いちばんびっくりしたのは、冒頭にあった新聞業界の世界との比較だった。日本の新聞の平均部数は60万部くらいだそうだ。これは世界でも稀な多い部数なのだ。初めて知った事実だった。

●ヨーロッパやアメリカでは、数多くの新聞が発行されていて、部数もそんなにおおくない。も最も少ないのは、ロシアだそうで、これは、民族や言語、地域が広大な条件から来ているのだろう。

●日本は世界でも稀な「単一民族、単一言語」の国で、宗教は自由で、宗教上の争いは、戦国時代にはあったが、近世では皆無に近い。また、狭い国土に集中して人が暮らしている。

●それと、何といってもすごいのは「識字率の高さ」だ。よく、冗談で「Even Poverty Can Newspaper」というジョークがある。「日本では、ホームレスの人(昔の表現では乞食といった)でもスポーツ新聞を読んでいる」という、新宿の地下道を歩いた外国人が驚いたそうだ。

●にもかかわらず、日本では、なぜ新聞の部数がこれほど多いのか。というより、新聞社の数が少ないのか。地方紙がない都道府県は滋賀県だけだそうだが、それにしても、朝日、毎日、読売、日経などの全国紙がほとんどで、地方紙などはたいした部数ではない。

●これは、戦時中の言論統制のなごりと、日本人の気質から来ているそうだ。お上の情報をそのまま信じて疑わない、議論を好まない、和を以って尊しとなす、などという日本人気質から来ている。

●それくらい、自己主張がない民族なのだそうだ。昨今は、このブログに代表される個人の発信が盛んになってきたが、まだまだ一部のマニアックな世界が中心だ。老若男女がこぞってブログをやっているわけではない。

●京都経済新聞社は、地方での経済新聞という非常に特殊な、ニッチなマーケットを開拓したパイオニアだ。批判することは簡単だが、初めてやることは容易ではない。そういう意味で、9月の出直し新バージョンは期待できる。

●もっと、われわれも、自分たちの情報発信を大事にしよう。ライブドアは、個人の情報発信を集めて、既成のメディアに挑戦している。勇気のあるビジネスへの取り組みだ。

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